衛星電話の選び方 | 衛星電話の用途・設置環境・機能・メーカーを解説!

衛星電話の選び方 | 衛星電話の用途・設置環境・機能・メーカーを解説!
  • 「衛星電話ってどれを選べばいいの?」
  • 「衛星電話の用途・通信網・サービスなにからどう選ぶ?」
  • 「衛星電話の契約形態ってなにが違う?」

こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、衛星電話の選び方を目的・利用シーン・通信網・サービス・契約形態・スペックごとにわけて解説。利用の注意点についてもご紹介しますので、ぜひご参考になさってください。



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目次

衛星電話の選び方

衛星電話は、使う場面や目的によって最適な機種が変わります。どのサービスを選ぶかだけでなく、通信方式や料金体系、持ち運びやすさなども含めて比較することが大切です。


衛星電話の主な選び方は以下のとおりです。

  1. 目的・利用シーンで選ぶ:使う場面
  2. 通信網(軌道)の特性で選ぶ:衛星のしくみの違い
  3. サービスで選ぶ:提供事業者ごとの特徴
  4. 契約形態で選ぶ:料金や使い方のかたち
  5. スペックで選ぶ:性能や機能



衛星電話の選び方
Photo by photo-A C

衛星電話が選ばれる理由

衛星電話が選ばれるのは、携帯電話の圏外でも使えるだけでなく、必要なときに安定して通信しやすいからです。近年はスマートフォンでも衛星通信を利用できるサービスが増えていますが、用途によっては衛星電話のほうが適している場面があります。

特に、海上や極地での活動、災害時の業務連絡、通信インフラが整っていない海外地域での利用など、通信の確実性が重視される場面では、今でも衛星電話が重要な通信手段として選ばれています。

衛星電話とスマホ衛星通信の違い

スマホ衛星通信は、対応するスマートフォンが人工衛星と直接通信するサービスです。山間部や離島など、携帯電話の電波が届きにくい場所でも、メッセージ送信や緊急連絡ができるようになっています。

一方、衛星電話は、人工衛星との通信を前提に設計された専用端末です。携帯電話基地局を経由せずに衛星ネットワークへ直接接続するため、海上や極地、災害現場など、より厳しい環境でも使いやすいという特徴があります。

目的・利用シーンによる衛星電話の選び方

衛星電話は、使う目的や場所によって重視したいポイントが変わります。利用シーンごとに向くモデルの傾向を押さえると選びやすくなります。


目的・利用シーンによる衛星電話の主な選び方は以下のとおりです。

  1. 災害・BCP対策(企業・自治体):安定してつながり、複数人での利用にも向く
  2. 登山・アウトドア:軽量・コンパクトで持ち運びやすい
  3. 船舶・海上:海上で安定してつながり、潮風や波に強い
  4. 海外出張・派遣:渡航先で確実に使え、世界の広い範囲に対応


【用途別おすすめ早見表】

重視すること おすすめ
日本国内の防災 ワイドスターⅢ
世界中どこでも使いたい イリジウム
海上利用が中心 インマルサット
中東・アフリカ中心で利用したい スラーヤ
数日だけ使いたい レンタル
北極・南極で使いたい イリジウム
登山で持ち歩きたい イリジウム
コストを抑えたい スラーヤまたはレンタル

災害・BCP対策(企業/自治体)

災害やBCP対策では、停電や通信障害が起きても確実につながり、安定して使えるモデルが求められます。発災直後の安否確認や指示伝達など、途切れない通信が安全に直結するためです。複数の担当者で使うことを想定し、室内用のアンテナで建物の中に据えて使えるタイプが向いています。

登山・アウトドア

登山やアウトドアでは、持ち運びやすい軽量・コンパクトなモデルが適しています。長時間の行動中も負担になりにくく、雨や衝撃に耐える頑丈さがあると安心です。深い谷や崖下では空が遮られて通信が不安定になりやすいため、比較的つながりやすい低軌道(周回)衛星を使うタイプが向いています。

船舶・海上

船舶や海上での利用では、潮風や波しぶきに耐える防水・防塵性能と、長時間でも安定して通話できることが求められます。陸から離れた海上は携帯電話の電波が届きにくく、いざというときの連絡手段が安全に直結するためです。

海外出張・派遣

海外出張や派遣での利用では、渡航先で確実に使えることが最優先になります。国や地域によって対応するサービスが異なり、つながらなければ役に立たないためです。行き先がカバー範囲に含まれるかを確認し、世界の広い範囲をカバーするタイプを選ぶと安心です。

国によっては所持や使用が制限される場合があるため、渡航前に現地ルールの確認も大切です。



通信網(軌道)の特性による衛星電話の選び方
Photo by NASA Unsplash

通信網(軌道)の特性による衛星電話の選び方

衛星電話は、利用する衛星がどの軌道で運用されているかによって、通信の安定性・遅延・カバー範囲が異なります。代表的な方式は静止衛星と低軌道衛星の2種類で、それぞれに適した用途があります。


通信網(軌道)の特性による衛星電話の主な選び方は以下のとおりです。

  1. 静止衛星(GEO):常に同じ位置に見える衛星。広域を安定してカバー
  2. 低軌道衛星(LEO):多数の衛星が周回し、入れ替わりながら地球全体をカバー

静止衛星(GEO)ネットワークの特性

静止衛星(GEO)は、赤道上空約36,000kmに配置され、地球の自転と同じ速度で周回することで、地上からは常に同じ位置に見える衛星です。特定の衛星を継続して利用できるため、地上側のアンテナは比較的単純な向き合わせで通信を維持しやすく、広域を安定してカバーできる点が特徴です。

一方で、極域では衛星の仰角が低くなり地形や建物の影響を受けやすくなります。また衛星までの距離が長いため通信遅延は大きくなり、山間部や高層建築物などで視界が遮られると通信が不安定になる場合があります。

低軌道衛星(LEO)ネットワークの特性

低軌道衛星(LEO)は、高度数百〜約2,000kmの軌道を多数の衛星が連携して周回する方式です。地球との距離が近いため通信遅延が小さく、極地を含む地球全体をカバーできる設計になっています。この方式では衛星が常に移動しているため、通信は衛星間で継続的に引き継がれます。

LEOネットワークはハンドオーバーにより通信が途切れにくい設計となっていますが、遮蔽物がある環境では一時的に接続が不安定になる場合があります。



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衛星電話サービスによる衛星電話の選び方

衛星電話は、事業者(サービス)ごとに、対応エリアや料金、得意な場面が異なります。各サービスの特徴を知ると選びやすくなります。


衛星電話サービスによる衛星電話の主な選び方は以下のとおりです。

  1. イリジウム:周回衛星で、極地を含む全世界をカバー
  2. インマルサット:静止衛星で、広いエリアを安定してカバー
  3. ワイドスター(ドコモ):日本とその周辺に特化し、安定性が高い
  4. スラーヤ:アジア・アフリカ・欧州が中心で、小型・低コスト

イリジウム(周回衛星)

イリジウムは、地上およそ780kmの低い軌道を周回する66機の衛星を使い、北極や南極を含む世界中で通話できる衛星電話サービスです。静止衛星ではカバーしにくい極地にも対応し、衛星距離が近いため遅延が少なく、比較的自然な通話が可能な点が特徴です。

アンテナの厳密な向き合わせは不要で、空が開けていれば山間部でも利用しやすく、小型端末が多いため携帯性にも優れています。

インマルサット(静止衛星)

インマルサットは、赤道の上空およそ36,000kmに位置する複数の静止衛星を用い、極地を除く地球の広い範囲をカバーする衛星電話サービスです。衛星が地球の自転と同期して赤道上空に静止しているため、衛星の位置が変わらず、アンテナを一定方向に向けることで安定した通信が可能です。

また、広いエリアを1基の衛星でカバーできるため、海上や開けた場所での利用に適しています。

ワイドスター(ドコモ)

ワイドスターは、日本とその周辺地域での利用に特化したNTTドコモが提供する国内向けの衛星電話サービスです。静止衛星を利用し日本全土と沿岸約200海里の範囲をカバーしており、防災対策や業務用通信など、安定した通信が求められる用途で利用されています。

主に防災対策や業務用通信など、確実な通信手段が求められる用途で利用されています。

スラーヤ(海外向け・低コスト)

スラーヤは、UAE(アラブ首長国連邦)の衛星通信事業者が提供する、静止衛星(GEO)を使用した衛星電話サービスです。主にアジア、中東、欧州、アフリカの一部地域で利用されており、エリア内であれば通信コストを大幅に抑えられるのがメリットです。

該当地域へ海外出張・赴任する日本企業やNGOなどに選ばれています。また、サービス提供エリアが東半球中心のため、北米・南米・日本国内では正規サービスとしての利用はできません。



契約形態の種類と特徴による衛星電話の選び方
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契約形態の種類と特徴による衛星電話の選び方

衛星電話は、契約のかたちによって料金の仕組みや向く使い方が変わります。頻度や期間に合わせて選ぶと無駄な費用を抑えられます。


契約形態の種類と特徴による衛星電話の主な選び方は以下のとおりです。

  1. 月額契約(ポストペイド):毎月の基本料で、いつでも使える
  2. プリペイド契約(前払い):使う分を前払いし、固定費を抑えられる
  3. レンタル:必要な期間だけ借りられる

月額契約(ポストペイド)

月額契約(ポストペイド)は、毎月決まった基本料を支払い、通話した分だけ通話料を後から払う契約のかたちです。通話料が比較的安いことが多く、日常的に使う人や、常に使える状態にしたい人に向いています。一方で、使わない月でも基本料が発生するため、利用頻度が低いと割高になることがあります。

プリペイド契約(前払い)

プリペイド契約(前払い)は、通話に使う分をあらかじめ購入(チャージ)し、その範囲内で利用する契約のかたちです。使わない月に固定費がかからないため、利用が不定期な人や、非常用として備えたい場合に向いています。一方で、残高には有効期限があり、過ぎると消えてしまう点に注意が必要です。

レンタル

レンタルは、必要な期間だけ衛星電話を借りて使う契約のかたちです。短期利用に適しており、期間が長いほど1日あたりの料金は割安になります。本体購入が不要なため初期費用を抑えられます。届いてすぐ使える手軽さがあり、契約や機器管理の手間も少ないため、災害時などの一時利用に向いています。

衛星電話のスペックで選ぶ

衛星電話は、通信方式やサービスだけでなく、本体の性能や機能によって使い勝手が大きく変わります。特に屋外や災害現場など過酷な環境で使うことが多いため、必要なスペックを事前に整理して選ぶことが重要です。


衛星電話のスペックで選ぶ主なポイントは以下のとおりです。

  1. バッテリー性能(待受時間・通話時間):長時間運用や非常時に対応できるか
  2. 耐環境性能(防水・防塵・耐衝撃):屋外や災害環境で問題なく使えるか
  3. 携帯性(重量・サイズ):持ち運びや現場での扱いやすさ
  4. 測位・緊急機能(GPS・SOS):位置把握や救助要請に対応できるか

バッテリー性能

バッテリー性能は、主に待受時間と連続通話時間で判断します。衛星電話は携帯電話より消費電力が大きく、電波状況が悪い環境ではさらに電力を消費するため、余裕のある設計が重要です。機種によっては待受時間が数十時間から100時間以上のものもあり、電源確保が難しい環境では特に重要な要素になります。

また、予備バッテリーの有無や、ソーラーパネル・モバイルバッテリーなど外部電源に対応しているかも、運用の安定性に影響します。

耐環境性能(防水・防塵・耐衝撃)

衛星電話は屋外利用が前提のため、耐環境性能は実用性に直結します。防水・防塵性能はIP規格で示され、例えばIP65では「粉塵の侵入を防ぎ、あらゆる方向からの噴流水に耐えられる」レベルを意味します。屋外用途ではIP65以上が一つの目安になります。

さらに、耐衝撃性能としてMIL規格に準拠したモデルもあり、落下や振動、温度変化の大きい環境でも安定して動作することが求められます。

携帯性(重量・サイズ)

携帯性は、持ち運びやすさと現場での扱いやすさに影響します。登山やアウトドア用途では軽量・コンパクトな端末が適しており、一般的な携帯型は200〜300g程度の製品が中心です。

一方、船舶や拠点での利用では携帯性よりも通信の安定性やアンテナ性能が重視され、据え置き型や大型端末が選ばれることもあります。用途に応じて携帯型と据え置き型を分けて考えることが重要です。

測位・緊急機能(GPS・SOS)

GPSは位置情報を取得し、必要に応じて救助機関や関係者へ共有するために使われます。多くの衛星電話に搭載されていますが、共有方法や精度は機種によって異なります。SOS機能は、ボタン操作などで緊急通報を送信できる仕組みです。遭難や事故などの緊急時に有効ですが、非搭載の機種もあります。



衛星電話利用の注意点
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衛星電話利用の注意点

衛星電話は、通信方式が携帯電話とは異なるため、利用前にいくつかの注意点を理解しておく必要があります。


衛星電話利用の主な注意点は以下のとおりです。

  1. 空が開けた場所で利用:建物の中や谷間ではつながりにくい
  2. 通信料金が高い:携帯電話に比べて端末代や通話料がかかる
  3. 定期的な動作確認:緊急時にすぐ使えるよう備えておく

空が開けた場所で利用

衛星電話は、上空の衛星と直接通信する仕組みのため、空が大きく開けた場所でないと安定して使用できません。建物の中や地下、トンネルのほか、山間部や高層ビルに囲まれた環境では電波が遮られ、通話できない場合があります。基本的には、屋外に出て空が広く見渡せる場所へ移動して使用することが前提になります。

通信料金が高い

衛星電話は専用の衛星回線を利用するため、携帯電話と比べて通信費が高くなる傾向があります。端末価格は数十万円程度になることもあり、通話料も1分あたり数百円程度と高額です。そのため、日常的な通話というよりも、災害時や緊急時など「確実な連絡手段が必要な場面」での利用が中心になります。

定期的な動作確認

衛星電話は非常時に備えて保管されることが多いため、定期的な動作確認が重要です。長期間放置すると、バッテリー切れや設定の不具合などで、必要なときに使用できない可能性があります。定期的に充電し、電源を入れて衛星に接続できるかを確認しておくと安心です。



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